Welcome
Spatial System Research Division
The Institute of Economic Research, Chuo University
Last modified: 31 May 2024
Upcoming events
The Second Seminar 2024/2025
TBA
Spatial System Research Division: We have completed a project "An investigation of the interlinkage between firm location and regional economy under borderless and global economy", which is followed by the current project "Spatial economic research on regional economic development and growth with dynamic changes in modern society". The academic year 2022/2023 analysed economic behaviour on location decision-making under risk and uncertainty, and now the academic year 2023/2024 examines "Regional economy and local cooperative coordination".
Archives
Academic Year 2024/2025
The First Seminar 2024/2025
Thursday 30 May 2024 17:00-18:30 (JST)/ 10:00-11:30 (CEST)
Online webmeeting system
Analysis on spatial system as an attractive host region for firms and residential wellbeing
by Dr. Daisuke Nakamura, Department of Global Management, Chuo University
Agglomeration economies, business tax rates and public spending: The case of Spain
by Dr. Jesús López Rodríguez, Department of Economics, University of A Coruña
- Details are available at Institite of Economic Research: Official Flyer -
Academic Year 2023/2024
The Fourth Seminar 2023/2024
Thursday 29 February 2024 13:00-14:30 (JST)
Online Webmeeting
Presenter: Dr. Yuka Matsumoto (Center for Advanced School Education and Evidence-based Research (CASEER), University of Tokyo)
Title: Natural disasters and decision-making under uncertainty: A regional study in Aceh, Indonesia
- Details are available at Institite of Economic Research: Official Flyer -
The Third Seminar 2023/2024
Friday 16 February 2024 10:30 - 12:00 (JST)
Online Webmeeting
Presenter: Dr. Natsumi Fujino (Amagasaki Institute of Regional and Industrial Advancement)
Title: Status of childcare leave taken by small and medium-sized enterprises and regional economic policies: Verification through a survey of the actual working environment
- Details are available at Institite of Economic Research: Official Flyer -
The Second Seminar 2023/2024
Friday 9 February 2024 11:00-12:30 (JST)
Online Webmeeting
Presenter: Dr. Kimiyo Kitamura (Faculty of Political Science and Economics, Kokushikan University)
Title: Empirical analysis on the effect of monetary policy: Areal comparison between Japan and other countries
- Details are available at Institite of Economic Research: Official Flyer -
The First Seminar 2023/2024
Monday 22 January 2024 13:00-14:30 (JST)
Online Webmeeting
Presenter: Dr. Dumayas Arianne Dela Rosa (Faculty of Global Management, Chuo University)
Title: Exploring the potential of secondary cities in the Philippines
Academic Year 2022/2023
The Fourth Seminar 2022/2023
Monday 10 March 2022 10:30-12:00 (JST)
Online Webmeeting system
Presenter: Dr. Natsumi Fujino (Amagasaki Institute of Regional and Industrial Advancement)
Title:Game theory for open innovation: A case analysis on small enterprises in Amagasaki
The Third Seminar 2022/2023
Monday 6 March 2022 10:30-12:00 (JST)
Online Webmeeting system
Presenter: Noriko Tanaka (Showa Women's University)
Title:Spatial system advancement and regional innovation for the next generation
The Second Seminar 2022/2023
Thursday 22 December 2022 13:00-14:30 (JST)
Online Webmeeting system
Presenter: Dr. Akiko Sakanishi (Professor, Faculty of Policy Science, Ritsumeikan University)
Title:Heaslthier community development and regional policy for ageing society
The First Seminar 2022/2023
Wednesday 16 November 2022 11:00-12:30 (JST)
Online Webmeeting system
Presenter: Dr. Dumayas Arianne Dela Rosa (Faculty of Global Management, Chuo University)
Title:Special Economic Zones and the Competitiveness of Cities in the Philippines
Academic Year 2021/2022
The Fourth Seminar 2021/2022 [Held in Japanese]
Saturday 19 February 2022 11.00-13.00 (JST) online (Webex Meetings)
11.00-12.00 "Analysis on institutional design for a comprehensive supply scheme for regional public services" by Dr. Chisato Asahi (Professor, Dept. of Urban Science and Policy)
12.00-13.00 "The Development Impact of Special Economic Zones in the Philippines" by Dumayas Arianne Dela Rosa (Faculty of Global Management, Chuo University)
- Details are available at the Economic Institute : Official Flyer -
The Third Seminar 2021/2022 [Held in Japanese]
Saturday 29 January 2022 10.00-12.00 (JST) online (Webex Meetings)
10.00-11.00 "Efficiency of publicly-operated facilities and regional system for sustainable regional economy" by Natsumi Fujino (PhD Programme, Fukuoka Womens University Graduate School of Humanity and Social Sciences)
11.00-12.00 "Firm location and regional externalities" by Dr. Daisuke Nakamura (Faculty of Global Management, Chuo University)
- Details are available at the Economic Institute Official Flyer -
The Second Seminar 2021/2022 [Held in Japanese]
Saturday 16 October 2021 10.00-12.00 (JST) online (Webex Meetings)
10.00-11.00 "Urban sprawl and total factor productivity in China: Empirical panel data analysis" by Dr. Na Wang (Faculty of Economics, Toyo University)
11.00-12.00 "Development of resources on a rice-wine production and its regional impact: A case study of GI Yamagata" by Yoshihiro Shoji (PhD Programme, Niigata University Graduate School of Modern Society and Culture)
- More details are available at the Economic Institute Official Flyer -
The First Seminar 2021/2022 [Held in Japanese]
Saturday 10 July 2021 10.00-12.00 (JST) online (Webex Meetings)
10.00-11.00 "Location and isses on aerocraft sectors" by Dr. Masaki Yamamoto (Professor, Dept. of Regional Planning, Takasaki City University of Economics)
11.00-12.00 "Business perspectives on aerospace industry" by Toshiaki Hasegawa (CEO, Sugasawa Manufactured)
- More details are available at the Economic Institute Official Flyer -
[Ja]
中央大学経済研究所 空間システム研究会 令和6(2024)年度
第1回公開研究会
形式 オンライン会議システム(Webex)
Thursday 30 May 2024 17:00-18:30 (JST)/ 10:00-11:30 (CEST)
Online webmeeting system
Analysis on spatial system as an attractive host region for firms and residential wellbeing
by Dr. Daisuke Nakamura, Department of Global Management, Chuo University
Agglomeration economies, business tax rates and public spending: The case of Spain
by Dr. Jesús López Rodríguez, Department of Economics, University of A Coruña
- Details are available at Institite of Economic Research: Official Flyer -
第1報告では、地域の高度化に向けた、空間政策のあり方について
の分析が展開されました。地域の高度化によって、企業誘致上そし
て地域定住人口増のための施策として、地域の魅力度を高めていく
観点での議論がなされました。本報告では、地域の家計及び企業の
利得を高めていくためには地域外部性が一定の役割を担い、地域外
部性を効果的に機能させていくための企業行動と家計行動がモデル
により示されました。特に、域内の労働市場の流動性と柔軟性が、
地域外部性を高め、高まった地域外部性がさらに企業の生産性を高
めていくシナリオが展開されました。第2報告は、スペインにおけ
る法人税の政策が海外直接投資による集積経済に与える影響につい
て分析したものでした。前半部は、NEG (New Economic Geography)
をベースとし、ゲーム理論の枠組みとシミュレーション解析がなさ
れました。後半部は実証分析がなされ、スペインのデータを用いて
前半部での考察の正当性について地域の社会厚生の点も含めた精緻
な検証がなされました。フロアからは、課税優遇が企業誘致に優位
に働く一方、地域の社会厚生に充てられる財源が制約を受けるトレ
ードオフをどう政策当局者として捉えていくのかなど、今後の議論
の拡張を期待したいとのコメントなどがありました。両報告にはい
くつもの共通項があることから、金融論、組織経営論、地域経済、
地域科学を専門とするフロア参加者も含め、共同研究を視野に今後
交流機会を高めていくこととなりました。
中央大学経済研究所 空間システム研究会 令和5(2023)年度
第4回公開研究会
開催日時:2024年2月29日(木) 13:00-14:30
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:松本 祐香(東京大学大学院教育学研究科 学校教育高度化・効果検証センター)
題目:自然災害と不確実性のもとでの意思決定:インドネシア・アチェにおける地域研究
本公開研究会では、生活の質(QOL)あるいはウェルビーングを
可視化する研究が報告されました。インドネシアのアチェ都市部
を対象として、自然災害の被災から復興に向けた過程ついて精緻
に調査がなされ、復興の力を高めていく要因として、地域コミュ
ニティに相当する人的交流が重要な役割を果たしていることが示
されました。日本社会も含め、市場メカニズムへの過度な依存に
よる地域コミュニティあるいは社会システムの縮小が各地で問題
視されていますが、平時には存在意義が見えにくい地域コミュニ
ティのシステムについて、イレギュラー時に一定の役割を担うと
いう意味において、地域政策のあり方に一定の方向性を与えるも
のと捉えられます。空間システム研究会では、様々な状況下にお
けるリスクと不確実性、及び地域経済と地域内協力に関する考察
というテーマのもとこれまで研究活動を実施してまいりましたが
本報告を含む年度内公開研究会全般を通じて、様々なアプローチ
から都市・地域政策及び立地政策に内包すべき諸要因に関する議
論がなされました。次年度は、今年度得られた成果をもとに、社
会の趨勢変化に応じた地域経済の安定成長と題して、理論モデル
の考察と政策的インプリケーションについて検証を重ねていきます。
第3回公開研究会
開催日時:2024年2月16日(金) 10:30-12:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:藤野 夏海(公益財団法人尼崎地域産業活性化機構)
題目:尼崎市内における中小企業の育児休業取得状況と地域経済政策:労働環境実態調査による検証
空間システム研究会では、地域の高度化についてこれまで研究を
重ねており、本公開研究会での研究報告は、企業レベルでの生産
性について組織運営の観点から検証を試みたものでした。企業の
生産性向上に影響力のある育児休業制度について、尼崎市の中小
企業のデータを用いた計量経済分析がなされました。その結果、
制度の積極的な導入に伴う費用増は認められるものの、組織の一
機能として定着がなされれば、企業内全体の効率性が高まるベネ
フィットが大きくなることが示唆されました。また、企業が積極
的運用に至るためには、地域政策としての負担軽減制度導入など
が議論され、この点については今後の研究において、他国との比
較分析などが検討されることとなりました。なお、他国との比較
分析に先立ち、国際比較研究を専門とする参加者からは、各国の
労働市場における産業別特性や構造の相違を勘案することが重要
であるとの助言がありました。さらに、関連する制度や政策を導
入するにあたり、取得の有無だけではなく、取得の選択肢に複数
のオプションが用意されている欧米の事例を検証することが必要
とのコメントも受けました。これまで研究会において外生的要因
を内生化するという点では有意義な研究報告と位置づけられ、今
後も関連要因としてさらなる解明を進めていくこととしています。
第2回公開研究会
開催日時:2024年2月9日(金) 11時00分-12時30分
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:北村 仁代(国士舘大学政経学部)
題目:金融政策効果の実証分析に関する日米欧での地域間現状比較
本公開研究会では、欧米を中心とした諸外国の金融政策の動向に
おいて共通する点を理論モデルとデータ検証によって明らかにし
たものです。その上で、我が国における同様の金融政策の動向が
なぜ異なる特徴を持つのかが議論されました。今回の共通基盤に
空間分析での地域特性を援用していくことで、今後新たな研究が
開拓されていくことが確認されました。本研究会のアプローチで
ある、都市・地域経済をキーワードした検証においては、個々の
経済主体行動に一定の影響を及ぼすマクロ政策を視野に入れてい
くことが重要です。本報告には予測分析が含まれていることから
REIM (Regional Econometric Input-output Model) や R-CGE (Regional
Computable General Equilibrium) との接続ができるよう検証を試みます。
第1回公開研究会
開催日時:2024年1月22日(月)13:00-14:30
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:ドゥマヤス アリャン デラロサ(研究員、中央大学国際経営学部准教授)
題目:Exploring the Potential of Secondary Cities in the Philippines
本公開研究会では、フィリピンにおけるコールセンターの立地
優位性について検証がなされました。具体的には、首都と他の
都市(いわゆる地方中枢都市、中核都市といった都市)におけ
る都市階層別のコールセンター立地の経済的比較を行ったもの
です。都市別競争力には、人口、経済基盤、災害リスク、イノ
ベーション力などが含まれるとの前提で議論がなされました。
現時点までに得られている結論として、コールセンターの立地
優位性は、首都をはじめとした大都市圏に限らず、小都市圏で
も確認されており、今後さらなる精緻な検証を必要としていま
すが、デジタルシティ構想が局所的に発展している、あるいは
近隣都市との外部効果が発生しているのではないかといった議
論がなされました。フロアからは、各都市にどういった整備を
進めていけばよいかといった、政策について助言がありました。
中央大学経済研究所 空間システム研究会 令和4(2022)年度
第4回公開研究会
開催日時:2023年3月6日(月)10:30-12:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:藤野 夏海(公益財団法人尼崎地域産業活性化機構)
題目:オープン・イノベーションに関するゲーム理論的考察:尼崎市内中小企業における検証
本報告においては、これまでに培ってきた空間経済理論に応用
ミクロ経済学のであるゲーム理論を援用し、さらに実証研究へ
の拡張を試みたものでした。実証研究については尼崎市に立地
する中小企業を分析の対象とし、クローズド・イノベーション
からオープン・イノベーションへのシフトが遅れる要因につい
て検証がなされました。この要因について、研究の延長線上と
して、具体的な政策的インプリケーションを与えていくことが
期待されます。参加者のうち、組織経営論の専門家からは、オ
ープン・イノベーション促進のためには、システムを理解し組
織内に伝播できる人材を有するかどうかという点と、他組織間
の彼らをつなぐ地域のしくみづくりの2点が重要になるとコメ
ントがなされました。また、電力需給予測の権威である専門家
からは、経済安全保障やサプライチェーンのブロック化にオー
プン・イノベーションがどう関わっていくか今後議論する必要
がある点を示されました。今年度の本研究会における考察の対
象は、企業をとりまく地域や家計、公的部門を主たる論点とし
てきましたが、本報告によって、企業行動そのものの分析の重
要性が改めて示されました。次年度以降も引き続き、経済を構
成する企業、家計、公的部門の各主体について、様々なアプロ
ーチをもつ研究者との検証や研究開拓を進めていきます。
第3回公開研究会
開催日時:2023年3月6日(月)10:30-12:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:田中 規子(昭和女子大学特命講師)
題目:次代に向けた空間システムの高度化と地域イノベーション
本公開研究会は、報告者の昭和女子大学の特色である女性の
就業と社会での活躍に関連した、我が国における就業と生活
満足度を可視化した研究報告でした。生活満足度や就業に対
する満足度が高いことは、企業行動においても生産性向上の
観点から注目されており、ここではライフイベントと就労の
緩衝材として「地域」という存在が議論されました。
第2回公開研究会
開催日時:2022年12月22日(木)13:00-14:30
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:坂西 明子(研究員、立命館大学政策科学部教授)
題目:高齢者の健康まちづくりと地域政策
本公開研究会は、全国的に大きな課題となっている超高齢
社会における健康寿命に対する地域政策のあり方を議論す
る報告でした。「高齢者の健康まちづくりと地域政策」に
ついて、我が国に論点を絞り議論が展開されました。最初
に、昨今の全国レベルでの高齢化と健康寿命に関するデータ
を検証しました。次いで、東京都多摩市まちづくり推進課へ
のヒアリングに関するサマリーの報告がありました。研究会
幹事研究室にて多摩市との地域モデルエリア事業共同研究実
施中のため、多摩市自治基本条例や高齢社会に向けた施策に
ついて、最新の関連情報の共有がなされました。さらに、関
西圏における大規模アンケート調査結果について独自の解析
が紹介されました。最後に、地域政策としての指標可視化の
あり方について、研究会にていくつかの提案がなされました。
参加者は、行政関係者、医療従事者、雇用に関する専門家など
8名構成となり、本報告の今後の発展性について具体的な追加
検討事項が議論されたことから、可能であれば次年度改めて、
国外との比較分析や労働経済領域のミクロ理論経済モデルへの
援用なども含め、最新の進捗について報告いただく計画です。
第1回公開研究会
開催日時:2022年11月16日(水)11:00-12:30
形式 オンライン会議システム(Webex)
報告:ドゥマヤス アリャン デラロサ(研究員、中央大学国際経営学部助教)
題目:Special Economic Zones and the Competitiveness of Cities in the Philippines
本公開研究会では、ドゥマヤス氏によるフィリピンの地域経済に関する
研究報告がなされました。特に、本報告ではデジタルシティに論点を絞
った考察が行われました。学内2名(経済発展論、空間経済学)及び他
大学4名(経済政策、都市・地域経済学、労働経済学、厚生経済学)の
参加者構成にて、1報告90分間の点を考慮し、適宜質問ならびに確認を
入れながらの開催となりました。本報告は、フィリピンにおけるデジタ
ルシティ戦略が地域間格差の是正に寄与する可能性を分析したものであ
り、デジタルシティ戦略は立地を問わずに繰り広げられているものの、
首都圏近郊の地域ほど、国外企業の立地意思決定選好が見られる点が示
されました。また、国外企業の立地意思決定選好を首都圏から離れた他
の地域に向けていくために、どういった施策が有効であるかが議論され
ました。具体的な施策として、経済活動を営む上での優位性、すなわち
物理的インフラの整備状況、通信ネットワーク環境、交通網の発達など
が挙げられました。この点について、参加者からは、高度人材を呼び込
み、かつ生活圏としての快適性が担保される魅力度が重要な役割を占め
るという要因が紹介されました。その上で、厚生経済学の視点から、地
域レベルでの生活の質を内生化した理論モデルの援用などが延長線上に
ある点が勧められました。最後に、今後の研究の発展性として、地域間
空間計量投入産出分析(REIM)による実証や予測モデルの構築、ならび
に分散化政策が進まない日本との比較研究などが提案されました。当報
告全般を通じて、本研究会が研究のキーワードとして位置づけている、
地域経済、社会厚生、生活の質といった各要素と相互の因果関係が主体
的に扱われていることから、今後予定されている第2回公開研究会以降
の研究報告との接点を見出し、研究会内外での共同研究ないし共同論文
執筆等が期待されるに至りました。
中央大学経済研究所 空間システム研究会 令和3(2021)年度
第4回公開研究会
開催日時:2022年2月19日(土)11:00-13:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
第1報告
朝日 ちさと(東京都立大学都市環境学部教授)
題目:「地域の公共サービスにおける包括的供給スキームの制度設計に関する考察」
第2報告
ドゥマヤス アリャン デラロサ(研究員、中央大学国際経営学部助教)
題目:「The Development Impact of Special Economic Zones in the Philippines」
- 公式情報:経済研究所 Official Flyer -
第1報告は朝日先生による講演で、応用ミクロ経済理論をドイツの公共
サービス維持事業にて検証し、我が国における制度上の諸課題等が議論
されました。フロア全体では、ドイツの地理的・制度的事情に詳しい複
数名の研究者より、政策評価等に関するコメントがなされ、大変有意義
な研究会となりました。アリャン先生による第2報告では、フィリピン
における経済特別区設定による経済発展効果について現地からの報告が
なされました。質疑応答では、特に雇用が経済政策に結びつかない点に
関して、参加者数名より重要な今後の拡張性に関する提案がなされまし
た。両報告とも、本研究会が課題としている「工業団地の立地および生
産構成と都市体系の関係について」を、外部経済と規模・範囲の経済を
援用した理論経済学の枠組み、ならびに空間経済学部おける輸出ベース
モデルに基づく理論的根拠により、特定の社会課題をそれぞれ追究する
ものでした。第1報告における、地域政策と外部経済(地理的制約を伴
うことから集積経済と位置づけ)、及び第2報告における企業立地意思
決定と地域経済波及効果については、「グローバル経済下における企業
立地および生産構成と都市体系の関係について」をテーマとする我々の
大極的な議論に深く関連する箇所となりました。
第3回公開研究会
開催日時:2022年1月29日(土)10:00-12:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
第1報告
藤野 夏海(福岡女子大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程)
題目:「持続可能な地域経済および公的施設における効率性と地域システム」
第2報告
中村 大輔(研究員、中央大学国際経営学部准教授)
題目:「Firm location and regional externalities」
- 公式情報:経済研究所 Official Flyer -
第3回公開研究会では、都市・地域政策、理論経済学、経済地理学を専門
とするメンバー等が参加者となりました。第1報告藤野氏による講演では
持続可能な地域経済及び公的施設における効率性と地域システムをテーマ
に、地方都市における限られた財源のもとでの公的施設の健全な運営に向
けた複数のケーススタディが検討されました。さらに、ナッシュ均衡概念
を用いた検証がなされました。質疑応答時には、当該研究を専門領域とす
る複数の参加者より、既往研究の追加提案がなされ、さらにモデル分析を
遂行する上での定義の確立をはじめ、様々なコメントが寄せられました。
中村幹事による第2報告では、経営立地と代替的な集積経済の概念を援用
し、物理的及び心理的情報近接性の視点から、小規模・低階層都市におけ
る資源配分の効率性を活かした地域経済成長に対する空間政策が議論され
ました。質疑応答では、関連既往研究の紹介がなされるとともに、今後の
拡張の可能性についてのコメントを当該領域の専門家である参加者より共
有されました。両報告とも、本研究会が課題としている「工業団地の立地
および生産構成と都市体系の関係について」を理論経済学の枠組みで追究
するものでした。第1報告における都市規模と公的施設のあり方、及び第
2報告における経営立地意思決定に際してのホスト地域の質的要件を高め
ていく議論については、「グローバル経済下における企業立地および生産
構成と都市体系の関係について」をテーマとする我々の大極的な議論に深
く関連する箇所でした。今回の成果に関連づけられる第4回公開研究会に
向け、研究会内での分析を進めていきます。
第2回公開研究会
開催日時:2021年10月16日(土)10:00-12:00
形式 オンライン会議システム(Webex)
第1報告
王 娜 客員研究員(東洋大学経済学部助教)
題目:「中国の都市スプロールが全要素生産性に及ぼす影響:
ダイナミック・パネルデータに基づく実証分析」
第2報告
庄司 義弘(新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程)
題目:「清酒製造業の経営資源開発と地域の変化:GI山形の取得過程を事例として」
概要
第2回公開研究会では、行政職員、金融機関役員、本学教員、他大学教員
をはじめ、都市・地域政策、統計学、経済地理学等を専門とするメンバー
構成となりました。第1報告は王氏による講演で、中国における都市スプ
ロール現象が経済活動の効率性を低下させる現象について、精緻な空間経
済計量モデルを用いて明らかにしました。報告内容には、空間システム研
究会が重視している集積経済(特に都市化経済と都市化不経済)に基づく
議論がなされました。討論時間中には、特に理論的アプローチと実証との
相違について、それぞれの研究者の専門領域から様々なコメントが寄せら
れました。第2報告の庄司講演では、GI (Geographical Indication)
が清酒製造業に導入されるに際しての関連企業ネットワークの拡充が示さ
れました。討論時間には、エリア内での集積経済(特に地域特化の経済)
を発展させた議論がなされました。両報告とも、集積経済、すなわち本研
究会が課題としている「工業団地の立地および生産構成と都市体系の関係
について」に合致するものでした。特に、第1報告における国土全体にわ
たる都市政策、及び第2報告における生産財の輸出戦略については、「グ
ローバル経済下における企業立地および生産構成と都市体系の関係につい
て」とする我々の大極的なテーマでした。
第1回公開研究会
開催日:2021年7月10日(土)10:00-12:00
形式:オンライン (Webex Meetings)による開催
第1報告
山本匡毅 客員研究員(高崎経済大学 地域政策学部 教授)
題目:「国土周辺地域における航空機産業の立地と課題」
第2報告
長谷川俊明(菅澤精機株式会社代表取締役)
題目:「航空宇宙産業における事業展開と今後の課題」
概要:
令和3(2021)年度第1回公開研究会として、はじめに研究所の
これまでの活動内容等を紹介しました。参加者は、特許庁、県庁
職員、市役所職員、他大学教員をはじめ、幅広いメンバー構成と
なりました。第1報告は山本氏による講演で、学術的アプローチ
での航空宇宙産業の立地と経営課題の解説がなされました。報告
内容には、空間システム研究会が再重要視している集積経済と生産
におけるフラグメンテーション理論が関連づけられました。また、
我が国での事例を交え、地域単位での現状と課題が体系的に分析
されており、討論時間中には様々なコメントや質問が寄せられま
した。第2報告は長谷川氏による講演で、航空宇宙産業を中心と
する事業展開について、国際取引を担う現場の体制や長期的視点
での課題が示されました。討論時間では、一企業単体での経営戦略
を超えた地域単位での経営方針の可能性などが議論になりました。
この点は、空間システム研究会が本年度研究課題としている「工業
団地の立地および生産構成と都市体系の関係について」に係る核
心部分でもあり、フロアとの踏み込んだ質疑応答がなされました。
両報告から出てきたキーワードとして、将来的な国際競争力を見
据えた我が国における企業行動のあり方、及び企業単位での限界
を克服するための広域的な連携のあり方が再認識されました。
これらは、「グローバル経済下における企業立地および生産構成
と都市体系の関係について」をテーマとする我々の研究メイン
テーマに直結するものです。こうした点も踏まえ、本公開研究会
の拡張経路として、コスト競争による国際優位性を超えた競争力
の維持、それをサポートする高度な地域システムのあり方について
今年度中に引き続き多面的な研究を進めてまいります。
■ オンライン接続について
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